世界が変わる その1
2014年09月24日
河野嘉恵 at 08:21 | Comments(0) | 可能性を信じる
これから書くお話は、よく子育てセミナーや、先生方向けの講演でするお話です。
「人は自分の見たいように、現実を見る」とはよく言ったものだなぁと思います。
自分の目の前の現実は、自分が見たいように自分が創った世界。
そんなことを気づかせてくれる、あーちゃんのお話。
*********
私が年少クラスの担任をしていた時でした。
そのクラスには、あーちゃんという女の子がいました。
あーちゃんは、ゆっくり成長発達するお子さんだったため、他の子どもたちよりも身体は一回り小さく、そして言葉を話すことができませんでした。
あーちゃんにとっては、初めての大勢に囲まれた環境。
そのせいか、いつも保育室のはじっこで、小さくなっていることが多く、だんまりと無表情で日中を過ごしていました。
おもちゃにも、子どもたちにも興味を示さず、無表情のまま一言も発しないあーちゃん。
抱っこしようとすると、体をくねらせて拒否するため、私もうまく関わりを持つことができませんでした。
そんなあーちゃんでしたが、たったひとつだけ自分からアクションを起こすことがありました。
それはお友達の髪の毛を引っ張ること。
そして、あーちゃんは髪の毛を引っ張る子を特定していました。
それがまこちゃんという女の子。
「ぎゃーー!」というまこちゃんの叫び声に慌てて振り向くと、そこには大抵あーちゃんに髪の毛を引っ張られているまこちゃんの姿がありました。
まこちゃんが泣いていてもあーちゃんは、お構いなしに髪の毛を握りしめたままです。
「あーちゃん!手を離して!」
慌ててあーちゃんの固く握られた手を開かせると、そこにはまこちゃんの引き抜かれた髪の毛が何本もありました。
私は驚いて、泣きじゃくるまこちゃんを抱っこしながら、あーちゃんに謝るよう話したりしましたが、あーちゃんは全くの無反応です。
突然前触れもなく髪の毛を引っ張られるまこちゃんの痛み。
そのことを知ったまこちゃんの親御さんの切なさ。
私はとても胸が痛みました。
そしてこのことを知ったあーちゃんの親御さんが、私以上に胸を痛めることも、よくわかっていました。
でも当のあーちゃんは、なにも感じていないようでした。
なぜならその後、何を伝えても、どんなに気を付けていても、あーちゃんのまこちゃんへの攻撃は止まることはなかったからです。
なんで何回も言っているのに、わかってくれないの?
他にどんな伝え方をすればいいの?
なんでこんなことするの?
なんで?
なんで?
次第に私はあーちゃんに髪の毛をひっぱることを辞めさせることで、頭がいっぱいになってきました。
そしてとうとうあーちゃんが、まこちゃんの髪の毛を引っ張ったある日、私は大きな声であーちゃんを叱ったのです。
「あーちゃん!先生何度も言ってるでしょ!?お友達の髪の毛をひっぱちゃいけないの!あーちゃんだって、こんなことされたら嫌でしょ!?」
あーちゃんは無表情でした。
少なくとも私にはそう見えました。
でも
無表情に見えたその目から、たった一粒だけ涙がこぼれたのです。
違う
あーちゃんの涙を見た瞬間、そう思いました。
違う。こんなやり方じゃダメだ
なぜだかわからないけど、私は自分のやっていることに違和感を感じたのです。
どうしたらいいのかはわかりません。
でもあることに気が付くことができました。
私・・・・あーちゃんのこと、なんにもわかってない。
その日から私は考えるようになりました。
あーちゃんは、本当は何をしたかったんだろう?
あーちゃんが伝えたかった事ってなんだろう?
あーちゃんは何をわかってもらいたいんだろう?
すると今までの私だったら、絶対に見えなかったものが見えるようになったのです。
ある日のこと、私はラッキーなことに、あーちゃんがまこちゃんの髪の毛を掴む瞬間を目撃しました。
そして全く思いもよらなかったあることを発見したのです。
実はあーちゃん。
まこちゃんの髪の毛を引っ張ってはいなかったのです。
つづく
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